Full text of "公孫樹"
公孫 樹
i 島 与 志 雄
所が、 その レスト ー ランの 二階に 腰 を 落 付ける と、
自然と 眼の 向く 表通りに、 やはり 公孫 樹の 街路樹が
植 つていて、 小さな 可愛い い 葉の 萌え出し てるのが、
硝子 戸越し に 見えて いた。 まだ 時間が 早くて、 電気の
来ない 室内が ぼうっと してる だけに、 外の 明るみが 際
立 つ て、 公孫 樹の 梢が すぐ 眼 先に まざまざと 浮 出して
きた。
「公孫 樹は 不思議な 木 だって、 どうして だいご
そんな 風に 私 は 問い かけざる を 得なかった ので ある _
すると、 吉住 はなお 憂欝な 顔 付に なった が、 やがて 料
理を 食ったり 酒 を 飲んだり してる うちに、 変に 眼 をぎ
底本: 「豊島 与 志 雄 著作 集 第二 巻 (小説 n)」 未来 社
1965 (昭和^) 年に 月 は 日 第 ー 刷 発行
初出 : 「改造」
192 5 (大正: H) 年 5 月
※底本 は、 物 を 数える 際 や 地名な どに 用いる 「ケ」 (区
点 番号 5-86) を、 大振りに つくって います。
入力 ..
校正 : 門田裕 志、 小 林繁雄
2 7年|::月^日作成
青空 文庫 作成 ファイル "
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校正、 制作に あたった の は、 ボランティアの 皆さんで